森山リハビリテーションクリニックは多様な機能を持っていますが、今回は
「リハビリテーション」「有床診療所」
をキーワードにその内容をお伝えします。
「リハビリテーション科ってなにやっているの?」という質問を耳にします。そんなときの答えの一つは
「リハビリテーション科は生活をより良くする専門家です」となります。
生活をより良くするという視点で医療をおこなう当院は、地域包括ケアにとって重要な役割を担える
有床診療所だと考え、日々診療しています。
たとえば、今まで日常生活動作も屋外の活動も自力で行なっていた独居の高齢者が、転んでから歩けなくなったので病院に行ったが「骨折はない」と診断されて自宅へ帰され、回復期リハビリテーション病棟に入れる病名もない。
しかし、歩けていたのが急に歩けなくなったことで、日常生活動作が困難になり、在宅生活そのものが成り立たなくなった、
というケースは近年よく経験されます。
食事の準備がままならなくなれば、栄養管理も困難で、脱水症、持病の急性増悪、身体能力のさらなる低下などの悪循環にもつながります。
このようなケースは、全身管理、疼痛コントロールしながら、集中的な入院リハビリテーションや介護保険サービスも含めた環境調整を行うことで、住み慣れた自宅の生活へ戻ることができます。
地域包括ケア病棟でも上記の管理はできますが、当院の強みとしてはリハビリテーション科専門医をはじめとした多職種で、患者さんの病状、身体機能、活動、生活全般を評価し、その後の生活を考えた全身管理と今後のストーリーを一緒に考えられることです。
・集中的にリハビリテーションをしたらどのような状態になるか?
・望む在宅生活には何が必要か?
・安定した生活のために食事はどうやって十分に摂っていくか?
・認知機能低下に外的な原因はないか? それに対して対処・対応方法はないか?
など予後予測をもとに見通しを伝え、適切なリハビリテーション医療やリハビリテーションアプローチ、栄養管理、介護保険サービス、環境設定などを提案します。
必要時には1日最大6単位(2時間)のリハビリテーションが提供でき、退院後も同じ診療所から訪問診療や訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、栄養指導などで継続したフォローが可能です。
入院や外来で、義足・装具の作製や修理・修正もできます。
医療から生活全般に対応できるところにやりがいを感じています。
リハビリテーション科中心の有床診療所は何をしているのか?(2)へ続く
森山リハビリテーションクリニック 院長 和田真一
「専門職として患者さんにもっとやれることがあるのに」
2019年2月13日公開
2021年2月18日更新