地域包括ケアシステムや地域医療に必要な医師の能力として、ある患者さんのニードには全部まとめて対応し、その上で説明できることが大事であると考えます。
それで、初めて患者さんは納得します。
患者さんに説明する時に、医学的問題から説き起こしながら、
「リハビリテーションで何をやっているのか」
「このアプローチを続けるとどうなるのか」
介護・福祉制度も利用しながら
「今後の生活はどうなっていくのか」
を全体を見通して説明します。
こういうのをストーリーテーリングといいます。
逆に、患者さんの描く今後の生活のストーリーが無いままですと、機能障害に対するリハビリテーション自体が目的化しやすくなります。
医療保険や介護保険でおこなうリハビリテーションは、より良い生活のためのあくまで「手段」です。
医学が分かっていて、リハビリテーションの本質も分かっているという医師が必要になります。
リハビリテーション科医は、各科の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、臨床心理士、ソーシャルワーカー、社会福祉士、ケアマネージャー、介護福祉士、介護ヘルパー、
義肢装具士、行政の福祉担当などの
多岐にわたる各種のプロの方々と同じ土俵で、共通言語で話しができる存在です。
各種のプロには、その道の仕事についてはかなわないですが、全体を見通したストーリーテーリングができる。それが、地域医療や地域包括ケアシステムにおける、リハビリテーション科専門医の私の仕事です。
「専門職として患者さんにもっとやれることがあるのに」とお悩みの
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森山リハビリテーションクリニック院長 和田真一
2019年1月23日公開
2020年4月2日更新