当クリニックがある品川区では、近隣の病院・施設との連携や交流機会も多くあります。
そのような環境の中で、品川区保健センターで開催している
『難病患者のためのリハビリ教室』に、3年間携わらせて頂く機会がありました。
これまでのリハビリ教室では、音楽療法編・理学療法士編は以前から実施されていたようですが、
保健師さん達からの声もあり、3年前より作業療法士編も開催する運びになりました。(概要は記事の最後に)
開催にあたり、保健師さん達と打ち合わせを行った際に、
「作業療法士さんが実際どのような仕事をしているか分からないんです」
「理学療法士さんと作業療法士さんの違いってどんなところですか?」
等の率直な意見を聞く機会にもなりました。
病院内や施設内にいると、地域の方々にも作業療法士は周知されているような感覚の中で働いておりましたが、実際の地域場面では、まだ職種・職業としての認知度が低い事ということを知る機会となりました。
参加されているパーキンソン病や脊髄小脳変性症などの神経難病のある方々は、比較的自立度が高く、
医療保険や介護保険によるリハビリテーションをまだ受けられていないけど、生活上では何かしらの不都合・不具合を感じている方々が集っています。
実際の生活場面ではどのようなことに困ることが多いのか、
どのような事に対してアドバイスが欲しいのか
などの患者さんの声を幅広く聞ける機会でもありました。
この経験は、外来や入院で関わらせていただいているいただ神経難病の患者さんにも
どのような生活能力を獲得していると在宅生活をより長く継続出来るのか、
環境設定としてはどうしたら良いか
などを考えていく上で、改めて参考にさせていただく事ができ、私自身も大変勉強になりました。
現在、『地域包括ケア』としての流れがある中で、院内に留まるだけではなく、地域へ出向く事も必要だと感じられる機会にもなった3年間でした。
このクリニック自体も、地域での役割をスタッフ一同で模索しながら、良いと思えることを進めております。
また、近隣の病院や施設の専門職の方々と共に、今後の専門職としての働き方等を検討していくことが可能な環境となっております。
参考:〈品川区保健センター リハビリ教室の概要〉 品川区HPより
パーキンソン病・脊髄小脳変性症などの神経難病の患者さんとその家族が、
療養生活における情報交換や悩みなどを話し合い、生きがいや楽しみを見つける場として開催。
○リハビリ教室(音楽療法編) 午後1時30分~3時30分 年間3回 定員30名
○リハビリ教室(理学療法士編) 午後1時30分~3時30分 年間4回 定員30名
○リハビリ教室(作業療法士編) 午後1時30分~3時30分 年間2回 定員30名
○難病患者・家族の集い 午後1時30分~3時30分 年間3回 定員20名
著者:森山リハビリテーションクリニック リハビリテーション部 作業療法士 小松真弓