年齢とともに、
身体の力を抜くこと、いわゆる脱力が下手になります。


最近、
私がとても実感していることの一つです。


もともと私は、
音楽大学で声楽を専門に勉強していました。


ピアノなど、他の楽器もみんなそうなのですが、

声楽においても、
声を響かせるためには、
身体の余分な力を抜く必要があります。


最近その余分な力がなかなか抜けないのです。
毎日歌を練習することがなくなったことも一因だとは思います。

 

通所や訪問リハビリテーションで関わっている
利用者さんたちにも同じようなことが起きています。


力を抜くのがとても難しいのです。

 

訪問や通所リハビリテーションにおいて、
発声訓練を実施することもあります。


大きな声を出すことは、

呼吸や嚥下機能を維持する、

発話明瞭度を上げる、

また、
気分をスッキリさせてくれるという効果もあります。

 

ところが、
発声の際、
支えを作るお腹など、必要なところには力が入らず、

その代償として
喉を詰めてしまったり、

肩周りなど別のところに力が入ってしまったりするのが原因で、

大きな声が出ないことが多いのです。

 

発声練習の時だけではなく、

座っている時、寝ている時でさえも
何処かに力が入ってしまっています。


これでは、疲れが取れにくいだろうなあと思います。

 

そこで、
通所、訪問ともに限られた時間ではありますが、

その目的に応じて
脱力の練習もできるだけ取り入れて実施するように心がけています。

 

私は現在も、月1回、
老人ホームに音楽ボランティアとして歌を歌いに行かせていただいていますが、
いつまでも歌が歌える身体作りをしようと、少しずつ脱力も含めたトレーニングを初めています。

 

著者:森山リハビリテーションクリニック 介護事業部 言語聴覚士 渋谷理恵