管理栄養士の私が、育休中から今日まで、子供の食事場面に寄り添いながら感じた「食べること」についてお話しようと思います。

2019.07 食事常食

資格を取得して以降、子供に関わる場所での勤務経験がない私は、
「学校で勉強はしたけれど・・・
 離乳食って具体的に何をどのくらい食べさせればいいの??」
と、子供の食事について、いきなり立ち止まりました。


インターネットで検索したり、母や友達に尋ねてみたり、行政の離乳食講座に参加したりして、恐る恐る取り組み始めました。

少しずつ食べられるものが増えていく中で、ある時期までは、好みの味、舌触り、能力に合わせた食形態など、これまで仕事で取り組んできたことを生かして工夫し、調理することで比較的食べてくれていました
(・・・とはいうものの、ベーっと出してしまって、食べない事もしょっちゅうありました)


ところが、離乳食がある程度進んだある日、
ふと、食事内容そのものよりも、食事をするときの環境に大きく影響を受けていることに気が付きました。

みんなで同じテーブルを囲んで食べる

みんなと同じものを食べる

お話ししながら食べる

いつもと違う場所で食べる など。


また、最近ではこだわりも強くなり、食事中はもちろん、食事前後は大騒ぎです。

大人と同じフォークが良い

お茶より牛乳が良い

からあげが食べたい

ふりかけをかけて欲しい

母親の横で食べたい

おかわりが欲しい   など。


このような慌ただしい食事時間を過ごす中で、食べるという事において、人が生きていくためのエネルギー確保という意味はもちろんのこと、
《誰と食べるか》
《どこで食べるか》
《何を食べるか》
《どのように食べるか》
がとても大切であるという事を改めて感じました。


大人になると、食べたくないからといって、お皿をひっくり返したり、お箸をなげたりすることはなくなるかと思います。
反対に
「誰と食べたいか」
「どこで食べたいか」
「何を食べたいか」
「どのように食べたいか」
という、ごく自然に湧いてくる目標や欲求を自分自身で叶えることもできるようになります。


《人を良くする事》と書いて《食事》


あなたは、誰と、どこで、何を、どのように食べたいですか??


当院では、入院中の栄養管理、栄養指導以外にも、外来栄養指導および訪問栄養指導を行っております。


私が、離乳食作りで戸惑ったように、退院後の介護食の作り方がわからない、トロミの付け方が分からない、糖尿病などの治療食で気を付けることが知りたい、むせ込みやすくなってきた、
体重が増えない・減らない など、
在宅生活を続ける中で生じる食事中の変化や調理時の悩みなど、不安な事があればご連絡ください。


皆様の食事の目標や希望を叶えるためのお手伝いを管理栄養士の立場からさせていただけると幸いです。

森山リハビリテーションクリニック 管理栄養士 出原泉
2019年8月5日公開
2020年11月19日更新