在宅医療では、
地域の連携体制を構築することが大事!
と言われています。


2019
91日読売新聞12面「地球を読む」の
「在宅医療 高齢患者と家族に安心感」でも、

「医師会と自治体の緊密な連携は必須」
「多くの職種がそれぞれの地域で連携を深める必要がある」

などの指摘がありました。

(垣添忠生、日本対がん協会会長)


「緊密な連携が必要です」
「連携を深めましょう」
「顔の見える関係がいいですね」

など言われることが多いですが、

抽象的な言葉であるため、
「具体的に何をすれば緊密な連携であるのか?」
が地域や人それぞれで、

よく分からないと思われます。


とにかく頑張って連絡を取り合えばいい、
というわけではなく、
日々たくさんの業務がある中では、
効率よく最大の効果をあげたいものです。


より良い連携のための、
大事な第1歩は、

「共通の目的に対して、
連携する相手が、

何をどこまでやる人かを把握すること」

つまり

「連携相手の守備範囲を知ること」
だと考えます。

それが分かればしめたもので、
以後は、

必要十分な連絡を取りながら、
対応策を考え、

改善を進めることが容易になっていきます。


品川区が2018年度から3年間で推進する
品川区介護保険事業計画の

7つのプロジェクトのひとつに
「医療と介護の連携の推進」があり、
その「背景とねらい」には以下のような記載があります(一部抜粋)

近年の在宅医療、24 時間の看護体制、
リハビリテーションを必要とする人や

認知症高齢者の増加に対し
包括的(利用者のニーズに応じた適切な組み合わせによる)かつ
継続的な(入院、退院、在宅復帰を通じて切れ目のない)サービス提供
が求められています。


区では、在宅介護支援センター

(地域包括支援センター)を
地域包括ケアシステムの要と位置付け、
区、医師会(かかりつけ医)、

歯科医師会、薬剤師会、
訪問看護事業者、介護サービス事業者、

民生委員、地域団体等との
連携・調整を図りながら、
「地域ケア会議」を充実・強化します。

さらに、
在宅介護支援システムの中で、
「統括ケア会議」の機能を充実させ、
医療と福祉の連携を

さらに推進していきます。

また、
医療関係者、介護関係者が

双方の制度を学ぶ
学習会や意見交換会などの場を設け、
一層の多職種連携の強化のための基盤づくりを進めます。

https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/contentshozon/08nanakidai4shou.pdf


連携するために

「相手からどんな情報を聞き出すのか?」

「自分がどこまでやって、何を相手にお願いするのか?」


を決めるには、

連携する職種同士で、
「誰が何をどこまでやる職種なのか?」
を知らないと連携できません。

相手の守備範囲を知らないと、
各職種が独立して自分の仕事をおこない、
仕事が重複することもあれば、
必要なことに誰も手を付けないこと

も起き得ます。


野球でもサッカーでも、
誰がどこを守るか決めて、
チーム全員の誰がどこを守っているのか、
どの場合に誰がどこへ動くのか

を把握しないと
そのチームの守備は崩壊します。

お互いの仕事を把握していれば、
ほころびが出そうなところへバックアップをすることができます。

野球で

内野と外野の間のフライが上がった場合は、
守備範囲を把握したうえで、
打球の強さや風向きを考慮に入れて、

誰が取るかの声掛けが必要です。

守備範囲を把握していなかったり、
声掛けしなかったりすると、

フライをお見合いして取れなかったり、
お互いに取りに行って衝突してケガをする危険があります。

また、
ノーアウトランナーなしで、

ショートゴロが転がれば、
ライトとキャッチャーは
ショートの1塁への送球がそれた場合に備えて、
1塁後方のファウルグランドへ

バックアップのために走ります。
2019.09 野球バックアップ
連携相手の守備範囲

と、

相手が何をするか


を知っていれば、

それを予測して、

あらかじめ多職種がサポートにまわることが可能です。


共通の目的に向かって、

「自分のやることを分かってもらう」こと、

「相手がやることを知る」こと


の両方が不可欠。

「顔の見える関係」とはそういう関係で、
だからこそ、
連携において必要十分なやりとりがわかって、仕事ができます。


その連携チームの中には、

患者も家族も含まれます。

本人や家族のニーズを踏まえたうえで、
本人や家族が何をどこまでやるかを知って、
連携チームの一員になってもらうことも必要です。


あらゆる連携する場面で必要なことは、

「目的に対して連携相手が何をどこまでやる人かを把握すること」


理解し、理解してもらった上で、

具体的な「連携」ができるのだと思います。


森山リハビリテーションクリニック 院長 和田真一
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