先日お休みをいただき、
インドのチェンナイ
という都市へ旅行に行ってきました。
よく
「インドに行くと人生観が変わる」
などと言いますが、
たった数日の旅行の中でも
沢山のカルチャーショックを受けました。
今日はその中から1つ、
「道路事情とその歩き方」
についてお話したいと思います。
屋外を歩く時、皆さんは何を考えているでしょうか?
・今日は天気がいいな〜。
・どっちの道で行くのが近道かな。
・車は来てないかな?あの車が曲がりそうだから端に寄った方がいいかな。
・信号が変わりそう、少し急がなくちゃ。
・予定の時間には間に合うかな。
家の中と比べ、
外歩きには様々な事へ目を向ける配慮が必要です。
この”配慮”のことを専門的には
『注意機能』と言います。
例えば、
人や車に気づくこと、
予定を気にして時間を把握・調整すること、
道路標識や信号などを見つけ理解・判断すること、
段差や坂道などの道路環境に合わせて歩くこと
などを指します。
また、
多くの情報の中から
自分に必要なものをピックアップする力を
『注意の選択』
そのピックアップした情報に対して
常にアンテナを張っていることを
『注意の分配』
アンテナを張っている情報の中から
今一番自分に必要な情報へ
瞬時に注目する力(例:車が飛び出してきた!)を
『注意の転換』
そしてそれらの能力をずっと保つことを
『注意の持続』
と分類されたりもします。
最近よく聞く「歩きスマホ」も
この注意機能の大半をスマホに奪われてしまい、
注意の分配や転換が不十分となり
人とぶつかったり
電車を乗り過ごしたり
と様々な事故へと繋がっていると思っています。
前置きが長くなりました。
現地のホテルを出て外を歩きだした時に
まず感じたのは
「うるさい!車がとにかく多い!」
という事でした。
※たくさんの人や車、オートリクシャー(三輪バイクタクシー)が入り乱れる道路
車の音が大きいのはもちろん、
クラクションがそこら中で鳴っています。
騒音で声が聞こえず
会話にならないこともしばしば。
日本では危険な時に鳴らすイメージのクラクションですが、
こちらでは
「後ろにいるよ!」
「今から曲がるよ!」など
ちょっとしたお知らせ程度で鳴らすようです。
また、四方八方から人や車がくるので
ぶつからないようにと
常にアンテナを張り巡らせていなければなりません。
(これは日本でも新宿など
大きな駅の人ごみなどでもよくありますよね)
そして歩道はあっても
勾配や段差など整備されているところばかりではなく、
常に足場を気にしながら歩かなくてはなりません。
また、
特に苦労したのが道を渡ること。
信号や横断歩道は少なく、
車が行き交う広い道路を渡らなくてはなりませんでした。
車の流れをよーく見て
よーく予測して歩き出します。
(気をつけることが多すぎて私の注意機能はパンク寸前)
日本人の私にとっては
過酷な道路環境を
現地の人々はスイスイと
下手すると電話などしながら歩いていきます。
「なんてすごい注意機能だろう!」と
道路の渡り方をまじまじと観察してしましました。
インドの人は頭がいいとよく言われますが、
こうして日常的に注意機能を常にフル稼働させて
道路を歩いていることも
理由の一つにあるのかなぁ、
などと感じたチェンナイ旅行でした。
森山リハビリテーションクリニック 作業療法士 周藤麻美