リハビリテーション科の医師はジェネラリストなので、
患者さんの地域での困りごとをアセスメントし、マネジメントすることができます。


地域の患者さんに足りないものを常に考え、それを提供する、あるいはマネジメントできる医師でありたいと思っています。


私は
心臓血管外科医として、手術や救命救急の現場で研鑽を積んだあと、
リハビリテーション科医として、

急性期リハ、回復期リハ、生活期リハ、終末期リハ、
摂食嚥下リハ、リハ医療における栄養管理、
装具療法、ボツリヌス療法、
在宅医療、終末期医療など の分野を習得してきました。

さらに広く公衆衛生学を大学院で学び、公衆衛生学修士も取得しました。

いろんなことを幅広く学び、経験したうえでたどり着いたことは、
「どれかひとつだけやっていても患者さんの生活を良くできないことが多い。
 患者さんや地域に対して幅広いことをできる環境に身を置き、
 総合的に患者さんに足りないピースを埋めたり、
 コーディネートしたりするような仕事をしていたい」

そのような考えから、有床診療所で入院診療での全身管理や入院リハビリテーション診療しながら、
外来、訪問診療もおこなうリハビリテーション科クリニックでジェネラリストの医師として働いています。


入院、訪問、通所で総合的にかかわった例を挙げます。

高齢で間質性肺炎による呼吸障害あり。消化管出血でショックとなり、急性期病院に長期入院となり廃用症候群となった。当院で入院リハビリテーションをおこない、自宅内車椅子移動レベルで自宅へ退院した。

訪問リハビリテーションを導入し、自宅内の移動は伝い歩きになり、入浴に必要な動作練習、環境調整をおこない、浴槽の出入りが可能になった。

さらに活動の範囲を広げていくため、「短時間型」通所リハビリテーションを導入した。通所中はとてもいい笑顔で他の利用者さんと談笑し、他者がいることで刺激を受け、訪問リハビリテーションのときよりも意欲的に運動される一面が見られた。四点杖歩行の練習を進め、歩行の耐久性も向上し、近くのスーパーへ家族と外出できるまでになった。

しかし通所開始から1年半後、起立性低血圧による意識障害を繰り返すようになり、通所には通えなくなった。

精査したが加齢以外の原因を見出せないまま全身状態は衰弱し、最期は訪問診療と訪問リハビリテーションで在宅生活を支え、「老衰」のため在宅でお看取りとなった。

当然ながら、当院だけで完結するわけではなく、地域の他事業所と連携して、当院ではできないサービスなどで支えていただき、患者さんとその家族をサポートしています。

写真は、在宅での胃瘻交換の様子です。交換後は内視鏡で確認し、安全におこなっています。

在宅胃瘻交換d


私たちが関わることで、患者さんを取り巻く状況が改善され、さまざまな困りごとを整理して対応する一員として地域に貢献し続けることができたら良いと考えています。


「専門職として患者さんにもっとやれることがあるのに」
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 森山リハビリテーションクリニック院長 和田真一

2019年1月21日公開
2022年5月9日更新