より生活に向けた場所でリハビリテーションとして関わりたいと思い、当院に入職しました。
2018年5月に日本作業療法士協会の定める『作業療法士の定義』が改訂されています。
これは、協会で最初の作業療法士の定義を定めてからおよそ35年で初めての改訂です。
内容は以下になります。
作業療法とは,
身体又は精神に障害のある者,またはそれが予測される者に対し,
その主体的な生活の獲得を図るため,
諸機能の回復,維持及び開発を促す作業活動を用いて,
治療,指導及び援助を行うことをいう.(昭和60 年6 月13 日 社団法人日本作業療法士協会第20 回総会時承認)
↓
作業療法は,
人々の健康と幸福を促進するために,
医療,保健,福祉,教育,職業などの領域で行われる,
作業に焦点を当てた治療,指導,援助である.作業とは,
対象となる人々にとって
目的や価値を持つ生活行為を指す.(2018 年5 月26 日,平成30 年度定時社員総会承認)
以前と比べ、より「その人にとっての大切な活動や生活に焦点をあてましょう」とはっきり書かれました。(私なりの解釈です)
人によって価値観は様々です。生活、仕事、趣味・・・ 私の思っている生活の中での大切なものの優先順位は、リハビリテーションを受ける方の優先順位とは当然異なってきます。
私の優先順位を押し付けてしまっては、その人のリハビリテーションのゴールへは遠回りになってしまうでしょう。
一人一人の大切なことや価値を置いているものは何なのかを理解して、リハビリテーションをできれば・・・と思っていますが、これがとても難しいです。
(「あなたの価値観は?」と質問して答えてくれれば簡単なのですが...)
「その人の大切なものを知るにはその人自身を知らねば!」
とリハビリテーション中も身の上話を聞かせていただくなど、世間話をするよう意識しています。
リハビリテーションは幸せな事にその人と一対一で20分以上過ごす事ができます。
一見しゃべりながらゆったりとリハビリテーションをしているようですが、そんな話の中で
「あ〜また○○がしたいなぁ」
「帰ったらこうしようかな。できるかな?」
などとその人の今後の生活イメージや不安が垣間みれることもあります。
少しでもその人の望む生活への援助ができるよう、これからも頑張っていきたいと思います。
森山リハビリテーションクリニック 作業療法士 周藤麻美
2019年9月18日公開
2021年7月29日更新