「リハビリテーションの人って、いつも目標をたててるよね〜。」

以前、患者さんにこんなことを言われました。

言われて「たしかに」と思ったのですが、リハビリテーションの計画を立てる途中では必ず「目標」が設定され、そこに向かってリハビリテーションを進めていきます。


【リハビリテーション計画立案の手順】

 評価・診断(検査) → 問題点抽出 → 目標設定 → プログラム作成

「目標」は患者さんの希望に沿いながら、一緒に決めていきます。


目指す先の主なものでは「自宅退院」「仕事復帰」などでです。

そこに向けて、少しずつ細かく段階を考えて、リハビリテーションのプログラムを決めていきます。

 

【目標の例:自宅退院】 

 ●自宅に帰るために必要なことを列挙すると?

   1)車庫から玄関まで移動できる

   2)家の中を歩ける

   3)ベッドから寝たり起きたりができる

   4)トイレに一人で行ける 

   ・・・・など

   →さらに細かく、車庫から玄関まで移動するために必要なことは?

     a4mの砂利道を歩ける

     b)玄関前の段差18cm×2段を上り下りできる

     c)ドアを開ける事ができる

     ・・・・など

上記の目標へ向けたリハビリテーションプログラム例

 ①歩行練習 5m×4セット

 ②段差練習 20cm

 ③立位バランス練習(バックステップを含むもの)

 ④上肢筋力訓練(肘を後ろに引く動作を含むもの)


退院後に想定される生活を一緒に考えるために、ご自宅の写真や寸法を教えていただくようご家族に依頼をしたり、ご本人から生活の状況や不安なところなどをお聞きして、よりその人に合ったリハビリテーションがおこなえるように努めています。

また、必要な方には入院中の患者さんと一緒に自宅へ行き家屋評価をおこなっています。実際の場面での段差昇降やトイレ動作を試したり、手すりなど福祉用具の検討、ケアマネージャーさんなどの退院後の支援を担う方と情報・方針の共有をしています。


退院までの道のりだけでなく、退院後の生活もよりスムーズに進めるように、これからも支援していければと思います。

森山リハビリテーションクリニック 作業療法士 中田麻美

2021年9月6日公開
2023年3月7日更新