リハビリテーション医療はICFでいう「活動」(生活)にフォーカスがあります。

日常での「活動」:歩く、着替える

家庭での「活動」:洗濯、買い物

社会での「活動」:学校、就業

より良い生活のために、ICF全体を把握して「活動・参加」向上につながるアプローチを考えて実践します。

2021.12 全人的対応
 

そのICFについて、医師国家試験ではどのような問題が過去出題されたのか?
1例を紹介いたします。


【問題】

歩行障害のため普段は車いすで職場へ通勤している人が、車いすが故障したため仕事を休んだ。この人の生活機能を国際生活機能分類(ICF)で評価した場合、普段とは評価が異なる項目はどれか?
(3つ選択)

a 活動制限 b 環境因子 c 機能障害 d 参加制約 e 身体構造


解説、正解は以下に示します。
 



解説:

車椅子が故障して移動できなくなり、仕事を休んだ

本人の「身体構造」や「心身機能」は変化がありません。
ですので、ceが選択肢から消えます。この時点で正答が可能です。

確認してみると、

a 活動制限 =「移動できなくなった」

b 環境因子 =「車いすが故障した」

d 参加制約 =「仕事を休んだ」

となります。


正解:a, b, d

医師国家試験では出題されているものの、理解して実践するには、ICFを念頭に置いた評価を臨床で考え、経験することが必要だと思います。

 

森山リハビリテーションクリニック 院長 和田真一