新型コロナウイルスワクチン接種が昨年春より開始し、20223月現在3回目ワクチン接種が森山医院でもはじまっています。

 

私は森山医院の看護師ですが、20219月頃より月1回程度、品川区集団接種のお手伝いにも行っています。その時に起きたエピソードを3つご紹介します。

 

①【すぐに帰ろうとする高齢の女性】

ワクチン接種後のアナフィラキシーに対応するため、接種後15分間の様子観察をします。高齢の女性の方もワクチン接種後、誘導係に案内され、観察室の椅子に座りました。

しかし、座ってすぐに落ち着かない様子になりました。

認知症による記銘力低下からなのか、自分が待機しなければならないことを忘れてしまっているようで、待機時間を終えた他の方が帰るたびに、立ちあがって「私も帰っていいのかしら?」と・・・

その様子を見守っていた私は、不慣れな環境で記銘力が普段よりも低下し、さぞかし不安に思われているだろうと判断しました。
そこで、15分間の経過観察が必要なことをこまめにお伝えしよう、と手を取り説明しながら15分間そばについていました。

その間も何回か帰ろうとされるのを、なんとかお話して待っていただきました。

長い15分間が経過!体調変化なく、笑顔で帰られる姿を見て、私もホッと胸を撫で下ろしました。

 

 

②【なぜか車いすに座らない高齢者】

接種を終えた高齢者の方が観察室に来られました。

なぜか車いすを押して入室され、自分の車いすには座らずに、会場の椅子に腰を掛けられました。

「会場の椅子に座っていてもいいけど・・・なんで自分の車いすに座らずにいるのだろう?」

疑問に思い、声をかけました。

すると、高齢者の方は「車いすに慣れていないし、この車いすに座るとお尻が痛いのよね」とあきらめている様子でした。

今回の接種のために車いすを借りてきたそうで、慣れていないからお尻が痛くなるのかな、と思いながら車いすを見てみました。

「この車いすには厚手のクッションがあるけど・・・お尻が痛くなるのはなぜ?」

クッションを触ってみると、確かにクッションの割に硬い! 裏地も確かめたその時!

「裏地が柔らかい!」

そうなんです、クッションの低反発側が裏返しに敷いてあったため、表になっている面は硬く、お尻が痛くなったのでした。ご本人に裏返しになっていたことを説明し、クッションを直して車いすに座っていただきました。

「お尻痛くないわ!裏返しだったのねぇ」

と笑みを浮かべ、15分間の観察を終え、無事に車いすに乗って帰られました。

接種場所まで来る間、さぞかしお尻が痛かったことでしょう・・・気づけて良かった!と私も笑顔になりました。

 

③【接種同伴者は誰の同伴なのか】

接種同伴者は「同伴」と書いたカードを首から下げています。

そのカードを下げた若い男性が1人、同伴者が座る席にいらっしゃいました。

接種者と同伴者は通常は一緒に座りますが、その男性の方はどの接種者の同伴なのかわからず、

「いったい誰のつきそいなんだろう???」と周囲を見回しながら考え待つ・・・

15分経ったころに男性に「接種の方はあとどのくらいでお帰りか分かりますか?」

と声をかけると、「あと1分です」とだけ返答されました。

そのすぐあと、若い女性の接種者が男性に歩いて近寄ってきたので、同伴者がやっと判明しました!

女性の方は接種直後から誰とも話していなかったし、男性のそばにもいなかったので気付かなかったです。Lineでやりとりしていたのでしょうか・・・

なにはともあれ、分かってスッキリ!!

 

その他にも、

3回目だから分かってるよ!」と言いつつ何も準備しないまま接種に挑む男性、

寒い中ダウンの下にノースリーブを着て準備してくださった女性、

自分の病気の相談を持ち掛けられる誘導係の男性など、色々な方がいらっしゃいました。

 

森山医院や集団接種会場にて、安全・安心に新型コロナウイルスワクチン接種ができるように、これからも頑張りたいと思います!

森山医院 看護師 岡崎