先日、地域リハビリテーションの勉強会で「本人の意思を尊重した生活を確立するためのリハビリテーションマネージメント」をテーマにした症例発表を行う機会を得ました。症例発表後のグループワークのテーマの一つとして、患者のHopeをどう汲み取っているかというものがありました。
本人の意思を尊重するためには、まず本人の意思、
Hopeを汲み取ることが必要ですが、それについて話し合ったことはあまりなかったため興味深い内容でした。そこで交わされた意見を紹介したいと思います。

 

1. 本人の意思、Hopeを汲み取ることに漏れが無いよう初回作成の書類や評価用紙にHopeの欄を設ける。

介入初期にHopeの聞き漏れのないように、書式に組み込む工夫をしているとの意見が聞かれました。また、本人からHopeとしては聞かれなくても「興味・関心チェックシート」を用いたり、家族からの情報収集を行うとの意見が聞かれました

 

2.Hopeを言語化できるタイミングが、初回もしくは介入初期では難しい事もあるため、Hopeが聞かれるタイミングを逃さない

介入初期に、Hopeを聴取することがありますが、受傷後すぐであった場合や、状況が受け入れられていなかった場合には、そこでHopeが聴収できない事はむしろ自然な事ではないかという意見が聞かれました。

介入初期にHopeが聞かれないことも念頭に置き、どのタイミングでHopeが聴取されるかは人それぞれになるとは思いますので、それを聞き逃さず、関わるスタッフで共有し考えていく事が重要であると感じました。

 

3.職種によって聞き出せるHopeに違いがある。

多職種で関わっている方であれば、職種によって聞き出せるHopeに違いがあるとの意見が聞かれました。その情報を共有し、患者のHopeを多面的にとらえ目標設定をしていく必要があると感じました

 

今回グループワークを行う中で、Hopeを聞き取ることも大切ですが、重要なのは関わる職種間でのHopeの情報共有がされている事と、それを基に目標が検討される事であると感じました。

私は、リハビリテーション実施経過報告書を作成する際、リスク管理や身体機能・動作能力の記載が中心になってしまっていることが多いのですが、今後は関わってきた中でのHopeHopeの変化、目標設定に至った経緯や状況の受け入れなどの情報も積極的に共有していきたいと感じました。

最後になりますが、情報共有について一つ興味深かった意見として、入院・在宅間での移行の際などに、スタッフ間で顔合わせていると情報共有のスピード感が違うという意見が聞かれました。自分でも情報共有を行う際に、書面だとうまく表現できないことがあると感じたことがあります。今後世情の変化に伴い顔を合わせてのカンファレンス等も増えてくると思います。そのメリットを生かし有効な情報共有というものを行っていきたいと感じました。

 

森山リハビリテーションクリニック 理学療法士 岩間拓也