10月に入り、急に寒くなりました。夏から冬へ一気に進んでしまったような気温の変化に、身体が付いていかない方もおられるのではないでしょうか。 今年は気温の変化だけでなく、インフルエンザによる体調不良も目立っています。 当院でもコロナウィルスと並行して、インフ
管理栄養士
栄養指導で「食べて下さい」? 低栄養の改善
外来栄養指導は、糖尿病、心疾患(減塩)、脂質異常症、腎疾患など 食事制限が必要な疾患に対する栄養指導を継続的に行うことが多いです。 恐らく、皆さんの【栄養指導】に対するイメージも 【カロリー制限、塩分制限】など食事を制限する事ではないでしょうか? しかし
ミールラウンドとは ―退院後を見据えて評価・検討する
ミールラウンドとは、多職種で食事場面を観察し実際の食事場面から咀嚼・嚥下機能や摂食時の様子などの評価をおこなうこと、などと言われています。 当院では、医師・看護師・栄養士・言語聴覚士が、月に1回、嚥下機能が低下している患者さんや食事摂取量が少なく栄養状態の
誤嚥性肺炎後の経口摂取再開 どのように多職種協働のチームで進めるか?
日本生活期リハビリテーション医学会の「生活期リハビリテーション医療にかかわる医師のための研修会」の中で「リハビリテーション医療に必要な併存疾患の管理」の講義を担当しました。 Zoomで講義のあと、メールで質問をいただきました。質問は、誤嚥性肺炎後の経口摂取再
断ち切りたい誤嚥性肺炎悪化サイクル
肺炎で亡くなる方は依然多いです。高齢者人口の増加で誤嚥性肺炎が増えているとされています。日本の22病院の多施設共同研究では、誤嚥性肺炎は、70歳以上の肺炎の約80%、90歳以上では90%以上を占めるとされています。 高齢者や脳卒中患者では、唾液などの不顕性誤嚥による
有床診療所 リハビリテーション科 入院の適応
品川区にある当院で提供しているリハビリテーションは4種類あります。「どのような考え方でそれぞれの適応を考えているのか?」についてお話します。今回は「入院リハビリテーション」についてです。リハビリテーション医療は「機能の回復を図る」「障害を克服する」というだ
宅配食 ご本人におすすめの選び方
ご高齢の方にとって、毎日のお食事はとても大事です。 独居で食事の準備が困難な方でも、適切な栄養摂取ができるように、あるいは、介護者の負担を軽減できるように、ご退院時に宅配食をお勧めすることがあります。 その際に「たくさんあって、どう選べばいいのか分からな
管理栄養士の食卓 -難しい中での工夫ー
前回、管理栄養士でも理想の食事が続かないことをお伝えしました。そんな中で、私が食に対して意識していることは2つ。1つ目は、「旬を意識すること」旬とは、ある食材が1年で最もおいしく、栄養価が高くなる時期。人間がその季節に必要としている栄養素をたっぷりと含んでい
管理栄養士の食卓 ー栄養士でも難しいー
テレビやインターネット、雑誌などには食べ物の情報が溢れています。その影響もあって、・〇〇ダイエットをしている・酵素が良いと聞いたからジュースにして飲んでいる・毎食トマトを食べている など、周りの方々から様々な宣言を聞くことがあります。皆さん、自分や自分
誤嚥性肺炎後 嚥下機能を改善するには?
誤嚥性肺炎後の摂食嚥下リハビリテーション診療では、誤嚥性肺炎悪化サイクルを断ち切るため、その患者さんの現状の「ベストな食べ方を確立する」ことが大事になります。確立した食べ方を継続することが、直接嚥下訓練になり、栄養状態の改善とともに嚥下機能も改善してくる
管理栄養士が感じた 東京と大阪の食習慣の違い
以前、大阪出身の私が、東京で勤める際に感じたコミュニケーションの壁について、記事を書きましたが、私には、もう1つぶつかった壁があります。 それは、【食習慣の違い】です。 食習慣は、地域間だけではなく、家庭によっても違いはありますし、通常であれば、それほど大
多職種カンファレンス 適切な役割分担につながる話
これを知っていると、リハビリテーション医療や地域医療、介護場面での多職種での対応やチームワークが考えやすくなる理論を最近勉強しました。 「人は状況によって異なる個性を発揮する」という、コンテクストの原理と呼ばれる理論です。コンテクスト=状況、前提、文脈な
地域医療における有床診療所の栄養管理 少ない努力でエネルギー摂取
地域のリハビリテーション診療における栄養管理では、食が細くてだんだんと体力が落ちてきたので「なんとか食事を多く摂って欲しい」患者さんと多く遭遇します。そんなときにどんな対応・対策をすればいいのでしょうか?食べてもらうために私たちが心掛けて実践していること
コミュニケーションの壁の解決方法
私が大阪から東京に出てきて10年近くが経ちます。 毎日、楽しく過ごしていますが、地域間の違いに悩んだことがあります。 最大の壁は【言葉(方言)】でした。 テレビなどでお笑い芸人や関西出身者が大阪弁で話をしているので、耳にする機会はあると思います。そのおかげ
在宅の摂食・嚥下リハビリテーション 多職種協働で「食べる」を支える当院の強み
言語聴覚士の仕事の一つに「摂食嚥下リハビリテーション」があります。 一言で摂食嚥下リハビリテーションと言っても、急性期、回復期、生活期、また対象となる方のご状態やご希望によって関わりはさまざまです。 私は、訪問で摂食嚥下に関わっていますので、在宅での摂食